赤道から南北回帰線の間、良質なコーヒー栽培地域「コーヒーベルト」に位置するインドネシアは世界第4位のコーヒー生産国でもあります。
ライフネシア編集部では知られざるインドネシアコーヒーの魅力を読者の方々にお伝えするために、全3回の「インドネシアコーヒー」特集を組みました。
その第1弾はインドネシアコーヒーの「豆の種類」「農場」「製造」について、の特徴や製造方法、他のコーヒーとの違いをご紹介していきます。
目次
インドネシアコーヒーの種類について
コーヒーの品種は大きく分けて「アラビカ種」と「ロブスタ種」の2種に分かれます。
インドネシアで生産されるコーヒーの90%以上はロブスタ種で、ジャワ島が主要生産地として有名です。インドネシアはロブスタ種の生産の15%ほどを担っています。一方、アラビカ種は生産量が約10%以下と希少ですが、インドネシア国内で20種類以上が生産されています。
「アラビカ種」と「ロブスタ種」の違い
アラビカ種とロブスタ種の主な違いは以下の通りです。
アラビカ種 |
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ロブスタ種 |
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「コモディティコーヒー」と「スペシャリティコーヒー」の違い
コモディティコーヒー |
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スペシャリティコーヒー |
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品種だけでなく、産地や精製処理方法もコーヒーの味に違いをもたらします。
アチェやガヨに代表される山や高地など朝晩の温度差が大きい場所で取れた豆ほど、質が優れる傾向にあり、スペシャリティコーヒーの生産に適しています。
インドネシアのコーヒー農場
今回は日本人が所有する農場、焙煎所としても有名な「FUME ROASTERY」の取材を元に、インドネシアの農場でコーヒーが出来るまで紹介します。
「FUME ROASTERY」はクマンにある日本人が所有する焙煎所兼農場です。
バンドゥンにある自社農場で栽培、精製した豆や地域の契約農家かから集めて精製した豆、そしてインドネシア各地から買い付けた高品質の豆を集めて焙煎し、卸売りしています。
FUME ROASTERYのコモディティコーヒー |
※コーヒーの皮とパルプ質を剥き、洗い、豆の水分を減らしてからパーチメント(内果皮)の殻を剥ぎ、乾燥させる方法 →顧客ごとに品質を保証 |
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FUME ROASTERYのスペシャリティコーヒー:西ジャワアラビカ |
※生産量が限られており、ジャカルタコーヒーウィーク(8月開催のインドネシア最大のコーヒーイベント)や「FUME ROASTRY」の焙煎所で限定販売しています。 |
FUME ROASTERY問合せ先 担当:Caecilla ☎+62-878-8718-2019 🌏www.varion.co.id
インドネシア国内コーヒー製造過程
苗床を育て、一定の大きさまで成長したら土壌に植え返します。「コーヒーチェリー」と称される、熟れて赤色になったコーヒーの実だけを一粒、一粒、手摘みして収穫します。
精製は大きく分けて「ウォッシュド」「ナチュラル」の2つの方法があります。
- ウォッシュド
皮とパルプ質を剥いだ後、ミューシレージを洗い落としてから天日、機械乾燥させる※ミューレージ:コーヒーチェリーの実に入っている粘膜 - ナチュラル
収穫した実をそのまま乾燥させる - その他
- ハニー
皮とパルプ質を剥いだ後、ミューシレージ を残したまま乾燥させる方法 - スマトラ式
皮とパルプ質を剥いだ後、ミューシレージを洗い落としてから、パーチメント(内果皮)の殻を取り除いて生豆の状態で乾燥させることで乾燥期間を短縮するインドネシア特有の精製方法。
選別機またはハンドピッグで行います。
コモディティコーヒーとスペシャリティコーヒーで格付けの評価の基準は異なります。また、コモディティコーヒーの格付けの評価の基準は粒の大きさ、欠点豆の混入量、収穫値の標高など国ごとに異なります。
インドネシアでは基準量中の欠点豆の数によりSP(スペシャル)G1~G5の6段階に格付けします。
スペシャリティコーヒーの評価の基準は何よりも「味」。カッピング(テイスティング)により味が精査され、良質なコーヒーかどうかが、その格と価格が決まります。
最後に
いかがだったでしょうか?今回、インドネシアコーヒーの魅力について「豆の種類」「農場」「製造」にフォーカスしご紹介しました。ぜひ第2弾、第3弾もチェックし、インドネシアコーヒーの知識を深めてください。