長らく続く新型コロナウイルスの脅威。インドネシアでは医療の状況や日本国内での一時帰国者向けワクチン接種の開始の通達もあり、一時帰国を検討されている方も多いのではないでしょうか。
ライフネシア編集部では、一時帰国にあたり事前に注意しておいたことがいいことや、日本国内での隔離ホテルの様子などを取材しました。ジャカルタ・チカランエリアからの一時帰国前の参考にご一読ください。
本情報は一時帰国者の方の体験を基に作成しております。政府通達等によりこの限りではない場合もございますので、予めご了承ください。
7月上旬帰国の帰国者|直行便で羽田着①
1.一時帰国するまで
2週間
共愛メディカルサービスで受検し、費用はRp.1,200,000でした。
出発の2日前の朝に受けて、翌日昼に陰性証明書を取りに行きました。陰性証明書の配達できないとのことです。
道路は特に混雑はなく、平時通りの所要時間で着きました。
空港のレストランは店内飲食禁止期間のためテイクアウトのみ。コンビニのようなお店は営業していました。
保安検査場通過後のカフェなどは営業していませんでした。
お土産屋は営業しておりお酒の購入が可能でした。薬局も営業していました。
2.インドネシア出国から日本到着まで
空港のチェックインカウンターでは陰性証明書を提示しました。
また日本入国前、機内で3~4枚の書類が配られ記入しました。
空いていました。隣に人はいなかったです。
30分程度。機内で配布された書類の記入と確認のための時間でした。
3.日本到着後から政府指定隔離ホテルまで
- 書類チェック
健康カード、質問票記入(厚労省のHPから回答し、最後に出てくるQRコードのスクリーンショット)の確認。
その後、個人番号(PCR検査時や結果報告の際に使用する自分の番号)と手首に装着を義務付けられる札(インドネシアは緑色)を受け取りました。 - PCR検査
- 厚労省指定のアプリ(MySOS、OEL、接触確認アプリ)がインストールされているか、位置情報がオンになっているか、Bluetoothがオンになっているか、通知がオンになっているか等の確認
- ホテルに関する確認と誓約書の記入。禁煙・喫煙か、また家族同部屋・別部屋の依頼もここで申し出します。
- PCR検査結果受け取り
- 通常の入国手続き
空港内の徒歩移動が多く、合計30分程は歩きました。
全ての手続きが完了するのにおおよそ4時間かかりました。
ただし、飛行機の到着時刻によっては8時間かかったという知人もいました。
基本は飛行機を早く出た人が最終的に早く空港を出ることができる流れです。時間短縮のためには、健康質問票を事前に回答しQRコードを準備しておくこと、アプリ3種をダウンロードしておくことがおすすめです。
バス移動。1分程で到着しました。
4.隔離ホテルでの生活
羽田です。空港周辺のいくつかのホテルから割り当てられるようです。基準は分かりません。
お弁当で種類指定等の選択肢はありません。
ドアノブに掛けられ、おそらく全ての客室に届けられた後に、弁当配布の放送が流れます。
お弁当はとてもおいしいです。人によっては量が少なく感じるかもしれません。
いつ・何が届くのかを事前にフロントに伝える必要があります。
ネットショッピング:可。ただし生鮮食品は不可。
デリバリー(UberEatsなど):可。ただし生ものなど冷蔵・冷凍が必要なものは不可。
差し入れ:可。ただし生鮮食品は不可で、手元に届くのは翌日。
ホテル内の自動販売機:不可
生ものや生鮮食品の基準についてはホテルによって異なるようで、私のホテルではおにぎりOKでしたが、知人のホテルではおにぎりNGだったようです。そのため、注文前に確認するとよいと思います。飲み物もOKと聞いていますが、隔離ホテル内での飲酒は禁止なので、アルコールの注文はNGだと思います。
5.その他
- アプリのダウンロードと健康質問票の回答済みQRコードは空港内での滞在時間短縮のために用意しておくとよいと思います。
- ホテルでは水(注文できる)かお茶(食事に付いてくる)以外が入手できないので、好きな飲み物はインドネシアで準備しておくとよいと思います。日本の空港内の自動販売機は利用可能でした。
- 日本の空港内での待機時間が長くなった場合に備えて、軽食を準備しておくといいと思います。
- 日本に来てから困らないように、コンセントの変換プラグはインドネシアから持参するといいと思います。
- 洗濯について、コインランドリーが利用可能でした(事前予約制)。自動洗剤投入式なので洗剤は不要でしたが、ホテルによって異なるかと思います。
②体験者Bさん(7月上旬帰国)|直行便で羽田着②
1.一時帰国するまで
約1週間です。
RAPIDCOVID.JKTという、自宅訪問型のPCR検査を受験しました。出張費込みで一人Rp.900,000(3人で2,7Juta)でした。厚労省指定の検査証明書については後日事務所に取りに行く必要があります。
当該施設は7/12現在、指定検査機関であると確認ができていません。受検を検討する方は必ず施設に問合せの上、お申込ください。
深夜便だったので夜8時頃空港に到着。空港までの道は特に混んでおらず、40分程度で到着しました。
2.インドネシア出国から日本到着まで
パスポート、PCR検査結果、エアーチケット、日本政府指定のPCR検査証明書でした
3分の1もいなかったと思います。4列席で寝ている方も多々いました。
30分程度。
誓約書やアプリの案内などが配られて、全員が書き終わるまで飛行機は降りられないと案内されました。
3.日本到着後から政府指定隔離ホテルまで
機内で記入した文書の提出やPCR検査証明書の提出、唾液でのPCR検査、指定アプリの説明と登録作業、最後にPCR検査結果で陰性だと、隔離先ホテルへのグループ分けになります。
そこからグループごとに、荷物の受け取り、税関での申告有無などを経て、隔離先別のバスに乗せられました。
途中までトイレや自販機が使えず、検査の最後の方でやっとトイレと自販機が使えるようになりました。
飛行機が羽田に到着したのは朝9時で、滞在先のホテルに入れたのは午後2時です。(約5時間)お昼が食べられたのはホテル到着後です。
専用のバスで移動しました。
4.隔離ホテルでの生活
横浜のホテルでした。
3食すべてお弁当でした。初日にアレルギーの有無を聞かれ、特にないと答えたら、その後は自動的にお弁当を配られました。
アマゾンやネットスーパーでの購入は可能ですが、生もの、アルコール等の持ち込みはNG。
届いた荷物も翌日にならないと部屋に届けられないと書いてありましたが、実際はその日のうちに届けていただきました。
飲み物が水しか届けられないので、コーラ、ソーダと、カップラーメン類を初日にまとめてオーダーし、食いつなぎました。
インスタントコーヒーやお茶は部屋にあり、足りなくなるとフロントに連絡すると届けてくれます。
5.その他
- お弁当が冷たかったので、カップラーメンやカップスープがあるといいです。
- 基本アルコールNGと書いてありますが、持ち込んだものが没収されることはありませんでした。どうしても我慢できない方は持ち込んだ方がいいと思います。
- コインランドリーは予約制で希望者が多いと抽選です。期間中、何度か申し込みましたが一度も当選しませんでした。滞在期間は洗濯できないものとして準備をした方がいいと思います。
- 小さなお子さんがいらっしゃる方は、空港からホテルまでの時間がかかるので、軽食や飲料水などを持参した方がいいと思います。また、搭乗したガルーダ便の機内や待ち時間中は携帯の充電場所がなかったので、その準備もあった方がいいかと思います。
③7月上旬の帰国者|直行便で成田着
1.一時帰国するまで
状況が悪化する前からチケットを予約していました。
SOSクリニックで1人IDR2,950,000。日本語ができる医師に検査をしてもらえたので、母子ともに安心して検査することができました。
特に混雑・渋滞はありませんでした。出国エリア手前のパン屋、ファーストフード店は営業していました。
2.インドネシア出国から日本到着まで
PCR検査の陰性証明書の確認がありました。厚生労働省の「質問票Web」に情報入力し、人数分のQRコードを発行しておくことをお勧めされました。スクリーンショットしておくと、到着後に便利でした。
予約状況では満席とのことでしたが、実際は全クラス含めて乗客は50名程度との機内アナウンスがありました。子連れのため、何度も複数のCAさんがお声がけしてくださり、なに不自由なく快適に過ごせました。
ベルト着用サイン消灯後、機内で指示があるまで待機しますと放送がありましたが、普段と変わらない程度でした。
3.日本到着後から政府指定隔離ホテルまで
降機して少し歩いたところで、廊下に並べられた椅子で待機。ホテルに提出する書類をうけとりました。
その後、書類の確認、QRコードの確認後、唾液検査。唾液がなかなか出せない子どもは、鼻から綿棒での検査。アプリの確認、メールアドレスの確認、書類の確認などに、いくつもの会議室のようなところを巡りました。
どの場所も外の景色も見えず、子どもにはかなり苦痛です。1時間以上経過し最終的にパイプ椅子が等間隔に並べられた会議室で検査結果を待ちました。こちらもブラインドが閉まり、外の景色も見えず、気分転換も難しいため、小さな子どもには過酷な待ち時間でした。こちらの近くにあるトイレには、おむつ替えスペースや子ども用のいすなどの設備はありませんでした。その後2時間ほど経過し、検査の番号で呼ばれ最後の書類確認後、陰性の赤い紙を受け取りました。
やっと会議室の建物から出られ、入国、荷物受け取り、税関を抜けたところで4時間経過しました。検疫スタッフの方にバスに乗るまで待つように言われた場所が、宅配便のカウンターの前でしたので、検疫スタッフの方に確認し不要な荷物を宅配便で発送できました。
事前にインターネットでチェックしていた「途中に自動販売機があった」などの情報に期待していたのですが、今回私の経路では、全くありませんでした。持参したペットボトルやパックの飲み物、お菓子やゼリーが非常に役立ちました。
ホテルの部屋に入った時点で、降機後5時間弱かかりました
全面ビニールに覆われたバスで、数分で到着しました。バスの運転手さんが、「ビニール部分をすべて塩素系消毒剤で拭いているので、お子さんたちは触って楽しむと思いますが、ホテルに着いたらよく手洗いしてくださいね」とお声がけいただきました。
4.隔離ホテルでの生活
ターミナル近く、飛行機の離着陸が見通せるエリアです。
インターネットで把握していた情報より広い部屋でした。クイーン、ダブルのベッドとソファベッドがあります。子どもが遊んだり、体操をしたりするスペースも十分にありました。子どもに触らせたくないものを回避するために、高い位置の棚やクローゼットなどがないため、リスクのあるものは、吊るす、スーツケースに収納する必要があります。
コインランドリーの利用は、電話予約の必要があり隔離期間が長い方優先とのことでした。我が家は、持参した洗濯紐を吊るし、手洗いしました。
チェックイン時に、通常の弁当、ハラル、ベジタリアンが選択できました。アレルギーの有無も聞かれましたが、アレルギー対応食は無いとのことです。ベビーフードも受け取れるそうです。
お弁当はおいしく、想像していたより野菜も入っていました。4日目くらいから、同じお弁当のローテーションになり、たまに辛いおかずやふりかけがかかっているため子どもたちが食べられない時もあります。
ネットで注文した荷物がホテルに到着すると、すぐに電話がきて検疫官の方が確認後、部屋まで運んでもらえます。ホテル内のコンビニへ買い物代行を依頼できました。商品が限られているため、欲しいものにありつけないことも多いのですが、差し入れ不可能な冷蔵品を注文できるため大変ありがたいです。
家族や友人からの差し入れは冷蔵品以外は可能です。ネットショッピングも受け取れます。近隣のネットスーパーは、コロナ隔離ホテルは配達対象外のためキャンセルになりました。おむつは、ホテルから配布してもらえました。おしりふきは無いので、ネットショッピングで購入しました。
5.その他
- 子連れの場合は、降機から隔離ホテルまでの待ち時間で暇つぶしグッズの準備、飲食物の持参は必須です。降機後、沢山歩き待つ時間も長いので、ベビーカーを持参してよかったと思いました。ベビーカーを機内から降りてすぐ受け取ると、移動が楽になります。
- タブレットなどは、十分に充電確認しておく。
母子の帰国は、空港での検疫の待ち時間が非常に大変です。事前に、様々な想定をして機内持ち込み荷物を準備してください。隔離ホテルにチェックインし、部屋番号がわかり次第ネットショッピングで必要なものを注文すると、インドネシアから生活用品などを持ち込まなくても済むのでおすすめです。
④7月上旬帰国の帰国者|国際線トランジットで福岡着
1.一時帰国するまで
7日程度。
航空券、72時間以内に検体採取したPCR検査の受検、日本国内でのワクチン接種計画など考慮して帰国計画を考える必要がありました。
また、一時インドネシア政府の外国人出国の規制も考慮する必要がありました。
共愛メディカルサービスで受検。
費用はRp.1,200,000で、検査翌日に検査結果を受領できました。
車で「Citywalk Sudirman」から空港へ向かいましたが、渋滞や検問はなく順調に移動できて、約40分ほどで到着しました。
※通常40分から1時間程度
2.インドネシア出国から日本到着まで
航空会社のカウンターで、「PCR検査陰性結果証明書」を確認されました。そのほか、日本政府指定の「位置認証確認アプリ(OEL)」、「ビデオ通話アプリ(MySOS)」、「接触確認アプリ(COCOA)」がスマートフォンにダウンロードされているか、をチェックされました。
シンガポール経由でしたが「シンガポール~福岡間」の搭乗率は1割程度で空席が目立ちました。
普段より長い待機時間となり、約15分近く待機しました。降機時はグループ分けをされ、インドネシアからの乗客は最後に降機し、検疫エリアへの動線に沿ってたくさんのスタッフの誘導や監視のもと移動しました。
3.日本到着後から政府指定隔離ホテルまで
インドネシアからの帰国者グループは、空港内に設営された検疫手順に沿って、「誓約書」の確認や「アプリチェック」、「確認書署名」、「入所にあたっての確認事項」、など複数の書類提出や確認書を提出しました。所要時間は約3時間でした。
専用の小型バスで指定ホテルへ移動しました。
4.隔離ホテルでの生活
福岡市街地です。
※スワイプで他の写真を見ることができます。ホテルでお弁当が用意されています。種類の選択などはなく、アレルギーがあるかどうかの確認だけされました。
※スワイプで他の写真を見ることができます。家族やネットショッピングで差し入れは可能と聞いています。
5.その他
日本政府指定アプリは出発前にダウンロードしておいたほうが便利です。(やり方が分からない方は、検疫所職員が方がサポートしてくださいます。)
お酒の差し入れは禁止のため、飲酒される方はインドネシアから持参する必要があります。(日本到着後は、一切買えません。)
10日間の隔離の間に必要な快適な衣服(短パン、Tシャツ、スリッパなど)を持参した方が良いです。10日間は隔離のため誰とも会うことはありませんので、一人で快適な環境を過ごせる衣服、グッズがあればよいと思います。
スカルノ・ハッタ国際空港のショップは若干営業していましたが、お土産は事前に市内で用意した方がよいと思います。トランジット先であるシンガポールの空港は全く営業しておらず、一切買い物ができない動線で乗り継ぎとなりました。