インドネシア赴任前にしておくべき公的機関への手続き(メリット・デメリットは?)

インドネシアへ駐在、または現地企業に就職・海外転職する場合、、住民票、健康保険、年金といった手続きはどうするべきか、悩むことも多いかと思います。

住民登録を残す場合も残さない場合も、それぞれの立場や状況に よってメリット、デメリットがあります。慎重に検討しましょう。

検討すべき公的機関への手続き

海外転出届(国外転出届)

インドネシアへの転居が決まったら、現在居住している地域の 自治体に海外転居届を出すかどうかを決めましょう。

多くの市町村では原則として「1年以上海外に滞在予定の人は必ず届け出を出さなければいけない」としていますが、提出に関する細かな法的規定はなく、海外在住者の中には転居届を出していない人もいるのが現状です。

海外転出届を出すことで、いわゆる「住民票を抜く」という状態になります。

海外転出届を提出する(=住民票を抜く)ことによる影響

  1. 住民登録がなくなる
    住民票の取得ができなくなり、マイナンバーカードも出国日(または出国予定日)をもって失効します。ただし、国籍はもちろん戸籍への影響はありません。
    市区町村役所への提出
    原則として出発の2週間前から提出が可能となっており、提出の段階でまだ正式に住所などが決まっていなくても、赴任先の国名および都市名程度は記入しなければならないです。また、選挙人名簿からも名前が削除されるため、海外から選挙に参加する場合には、「在外選挙人名簿登録申請」をする必要があります。
  2. 所得税・住民税の納付義務がなくなる
    • 所得税
      海外での収入は所得税は課税されませんが、給与所得以外(不動産や資産の譲渡等)の所得は最寄りの税務署に確定申告が必要になります。
    • 住民税
      毎年1月1日の時点で住民登録のある自治体で課税されます。年の途中に海外転勤する場合でも、その年の住民税が請求されます。(赴任の翌年5月末ころ請求がきます)
  3. 国民健康保険に加入できなくなる
    保険証の返納が必要であり、同時に医療費は全額負担になります。退職後、しばらく日本に滞在する場合には一時的に国保や協会けんぽに加入する方法もあります。保険料を比較して決めても良いでしょう。
  4. 年金への加入が任意になる
    海外転出届を出すと、強制加入被保険者ではなくなります。継続したいときは、市区町村で任意加入手続きを事になります。
    海外から年金の確認をする
    自分の年金を確認したい場合は「ねんきんネット」で確認できます。ただし、日本国内の最終住所の確認が必要となります。年金の請求も可能です。
  5. 印鑑証明が取れなくなる
    印鑑証明が取れなくなるため、自動車の売買等を検討されている場合には注意が必要です。
  6. 日本の銀行口座の制限
    原則として通常の日本の銀行口座の維持・新規口座開設はできなくなります。

国民健康保険と海外療養費制度

住民登録を残した場合は、国民健康保険料を納め続けなくてはなりませんが、日本に一時帰国した際、健康保険を使って医 療機関を受診することができます。

またインドネシア滞在中に支払った医療費に関しても、一部払い戻しを受けることが可能です。(海外療養費制度)
詳細は「日本健康保険協会」のウェブサイトをご覧ください。

社会保障協定
「社会保障協定」は日本と駐在先の外国での年金の二重支払い負担解消などを目的として作られた協定です。
インドネシアはこれを締結していないため、適用対象外となっています。

国民年金

住民票を除票した場合、国民年金の強制加入被保険者ではなくなりますが、任意での継続加入は可能です。

インドネシアの現地法人で働く場合は、原則として、現地の社会保障制度に加入することになります。一方、給与の全額または一部が日本から支払われる民間企業の勤務者は、赴任後も厚生年金に継続加入するケースが多いです。詳細は「日本年金機構」 のウェブサイトをご覧ください。

転居が完了したら「在留届」の提出を

インドネシアに転居後、居住先が 確定したら「在留届」の提出をお忘れなく。緊急事態が発生した場合に、日本国大使館や総領事館 からのメールによる通報や迅速な援護が受けられるだけでなく、インドネシア国内での現住所や転居履歴を証明する「在留証明証」、印鑑証明の代わりとなる「署名証明」など、海外へ転出した日本人にとっては非常に重要となる各種証明書を 申請する上でも必要となります。在留届は最寄りの在外公館のほか「在留届電子届出システム(ORRnet)」サイトからも提出できます。

インドネシアで働いている人の手続き例

滞在歴7年5か月:男性の例

男性A
海外転出届:提出済
退職後の保険:国民健康保険加入
納税:代理人
勤務形態:現地採用
退職~渡航まで:1か月
現地での保険:会社で加入
年金加入:脱退

滞在歴1年6か月:男性の例

男性B
海外転出届:提出済
退職後の保険:社会保険の任意継続
納税:会社が手続き
勤務形態:現地採用
退職~渡航まで:8か月
現地での保険:会社で加入
年金加入:脱退
その他
任意継続は2年まで延長可能で、組織によっては国保より安く済む場合があるので、チェックしておきましょう。退職後に就活や留学をしましたが、失業手当や早期就職手当も貰えるので自分のキャリアをしっかり考えられます。年末年始に渡航される方は住民票を抜く時期も要検討です。

滞在歴11か月:女性の例

女性A
海外転出届:提出済
退職後の保険:国民健康保険
納税:代理人
勤務形態:現地採用
退職~渡航まで:2週間
現地での保険:国民健康保険
年金加入:脱退
その他
退職から渡航までの期間が短かったため、手続き方法を調べて申請するのに忙しかったです。インドネシアは日本ほど医療水準が高くないので、渡航前に気なることは検診や診察を受けておくと安心です。

メリット・デメリットのまとめ

ここまで、海外転居届を提出することによる影響と公的手続きについてまとめました。

海外転居届を提出するメリットは、税金等の費用負担が軽減したり、免除されることにあります。一方で、本帰国後の手続きが煩雑であったり、自己責任に依る事が多くなり入念な準備が必要になるともいえます。

必要であれば会社とも相談しながら最適な方法で渡航準備を進めましょう。

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