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LOUDNESS|日本を代表するハードロックバンドのジャカルタ公演報告

『 LOVE・SWEET・CRAZY』を引っさげて元祖ジャパニーズRock炸裂!

11月12日に『ハードロックカフェ・ジャカルタ』で80年代に一世を風靡したヘビメタバンド『ラウドネス』のライブが開催されました。

40、50代の日本人男性で若かりし頃に音楽に興味を持った人ならば、その名を知らぬものはいないはず。メンバーはすでに還暦間近ながら、彼らのヘビーなサウンドは色褪せることなく、当日会場にはジャカルタ在住の日本人のおじさんのみならず、ハードロック好きのインドネシア人も多数集まり、会場は興奮の坩堝へ!

LOUDNESSとは

1981年デビューした日本を代表するベビーメタルバンド。

80年代中盤には海外進出を果たし、日本人アーティストとして初めて『マジソン・スクエア・ガーデン』のステージに立つ快挙を成し遂げた。1989年以降は大幅なメンバーチェンジを繰り返したが、2000年にギターの高崎氏によって、オリジナルメンバー(ギター/高崎晃・ボーカル/二井原実・ベース/山下昌良・ドラム/樋口宗孝)で再結成した。

2008年11月に中心人物だったドラムの樋口氏が他界したが、後任に鈴木政行を迎えて活動を継続。ところが2018年に鈴木氏が軽度の脳梗塞を発症、現在は快方に向かっているとのこと。今回のアジアツアーでは西田竜一がサポートドラマーとして参加した。

日本の音楽シーンに影響を与えた伝説のバンド

1980年代に青春時代を過ごした男子にとって『ラウドネス』は憧れの存在だった。ヘビーメタルと呼ばれるジャンルは、多感な中高生たちの心を鷲掴みにした。また当時のバンドブームとあいまってアマチュアバンドを結成する若者たちに最もコピーされたバンドといってもいいだろう。

実際、現在一線で活躍するアーティストにも多大な影響を与えた。
『B’z』の稲葉浩志は『ラウドネス』のファンだったことを語り、ビジュアル系バンドとして90年代に一世を風靡した『X JAPAN』もスタートは『ラウドネス』のコピーバンドとされる。またハードロックとは異なるジャンルの奥田民生や斎藤和義、スピッツ等も若かりし頃の『ラウドネス』のコピーバンド経験を明かしていることからも、現在の日本のポピュラー音楽に多大な影響を与えたレジェンドであることは想像に難くない。

今回ワールドツアーの一環でジャカルタを訪れると聞いて浮かんだ疑問は、「体力の消耗が激しいパワフルな音楽ステージをこなせるのか? 」失礼ながら、まもなく還暦を迎える方々が、激しいパフォーマンスを再現することに若干の不安を抱いていた。

しかし実際に生ライブを見て、すべての疑問は杞憂に終わった。
むろん30数年前と比較して寸分たがわぬと言えば語弊がある。しかしハードロックを全うせんと奏でるサウンドは依然としてパワフルで、さらに卓越した演奏技術からは円熟味が感じられた。ユーチューブで見る80年代の彼らのパフォーマンスと同様、オーディエンスを巻き込んでのパワフルなステージは今でも健在だった。

高崎氏のギターソロはラウドネスの見せ場の一つ。唸るサウンドテクニックに会場大興奮。

年齢を感じさせないパワフルなサウンドに脱帽

彼らが激しいパフォーマンスを維持するためにどんな努力を払っているのか? そんな気になる質問をメンバーに尋ねてみた。

インタビューに応えるメンバー

ボーカルの二井原氏は、

飲み過ぎないこと。シンガーにとっては声が命やからね

とハイキーのボーカリストらしい心構えが聞かれた。

身体を鍛えることやな。ツアーはめっちゃハードやから、ツアー前にしっかり体力を作ること。特に『気』と『血流』の流れを意識してトレーニングするようにしているよ

ギターの高崎氏は自身のハードなプレイスタイルを裏付けする身体の鍛錬を語った。

そんなやりとりの中、リズム隊としてバンドを支える、名ベーシストの山下氏は、二人の真面目な意見から一転し、

毎日ビールを飲むこと(笑)インドネシアのローカルビールもうまいね

と前者二人の意見にオチをつける茶目っ気たっぷりな答えがかえってきた。

その様子からは、気心知れた幼馴染みがそのままおじさんになったかのようなメンバーの関係性が窺えた。

 さらにかつてのバンド少年の憧れであり、日本を代表するギタリストでもある高崎氏にギターが上手になる秘訣は何ですか? という質問をすると

うまくならなくてもいいよ。うまくなられたら俺らの仕事がなくなるから(笑)

と山下氏の答えになぞらえるように、笑顔ではぐらかされた。場を和ませるジョークはある意味、バンド誕生から30年余りの時を経て、いい感じで力が抜けたベテランミュージシャンらしい照れ隠しのようにも思えた。

インタビューの最後に同席していたインドネシアの地元メディアから、ラウドネスといえばハードロックというイメージだが、違うジャンルの楽曲は作らないのか? という質問が出た。

新しいファンを獲得したいから、それに合わせて作品を作りたいとかはない。俺たちは『ラウドネス』だから。それは俺らの音楽聴いたらわかるやろ。

高崎氏の毅然とした解答からは、30余年の時を経ても、ヘビーメタルというハードロックへの徹底したこだわりと、力強いステージパフォーマンスで観客を魅了する揺るぎなき意志が感じられた。

熱狂するステージ

それを証明するかのような今回のジャカルタライブは、当日現場にいたインドネシア在住の多くの日本人のおじさんたちやハードロックを愛する地元インドネシア人の心に刺さったことだろう。

ジャカルタライブは香港、クアラルンプールに続くものだったが、ジャカルタの後はバリ島へとツアーは続く。年齢を感じさせないハードなライブスケジュールには頭が下がる思いだが、今年限りでないことを願いたい。

二井原氏曰く『ラウドネス』ライブテーマは『ラブ・スィート・クレイジー』。これらのキーワードとともに、来年もまたジャカルタでライブ開催されることを大いに期待したい。

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