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最善策を導き出し、アウトプットまでを実践|インドネシア人リーダー層向け育成プログラム

すべての仕事に適応できる普遍的ビジネススキルを体系化

途上国支援を志し、大学卒業後はJICA職員としてアフガニスタンに2年間赴任。その後大学院進学を契機に、支援先を途上国政府から、企業・ビジネスパーソンに変え、現在は人材育成事業に注力。『国づくり支援からビジネス人材育成へ』普遍的なビジネススキルの体系化と普及をミッションに掲げる、若き経営者をインタビュー。

プロフィール



堀 勝治郎 (ほり かつじろう)
PT. Precena JAC Strategic Partners
President Director
プレセナ・ストラテジック・パートナーズ 講師

東京都出身
学歴:国際基督教大学教養学部卒業・カリフォルニア大学バークレー校 開発学専攻(留学)・シンガポール大学リークアンユー行政大学院 公共政策学(MPA)首席卒業
職歴:独立行政法人国際協力機構(JICA) 調査役(2年間アフガニスタンにて勤務、8ヶ月間ガーナ・シエラレオネにて勤務。その他、アジア・アフリカを中心に20ヶ国以上の支援業務に従事)その後、プレセナ・ストラテジック・パートナーズに参画。

知っているだけではダメ
実践しないと意味がない

編集者
はじめに堀さんが代表を務める御社の事業から教えてください。
堀氏
弊社の主軸事業は社員の人材育成です。具体的には、多国籍企業・日本企業向け人材育成プログラム構築、育成用教材開発、スキル評価、社内講師の育成等を行なっています。
編集者
研修自体は、どういう内容ですか?
堀氏
お客様から良くこういった声が寄せられます。「ホウレンソウが不十分」、「全ての文章が分かりづらい」、「考え抜かれていない提案がとにかく多い」、「効率が悪く仕事のスピードが遅い」「マネージャーがマネージできていない」。このような声にお応えすべく、現在インドネシアで展開しているコンテンツは主に5つあります。

  1. ロジカルシンキング(論理的思考)
  2. ロジカル・コミュニケーション(文章作成・プレゼンテーション・ホウレンソウ等)
  3. 問題解決力
  4. 組織マネジメント・プロジェクトマネジメント・リーダーシップ
  5. 次世代事業を考える戦略的思考

です。どれも、業種や世代に関係なく、すべてのビジネスパーソンが必要とするスキルを習得・強化するための研修です。

編集者
同業他社もある中で、御社の特徴を教えてください。
堀氏
一言でいうと、『実践』にこだわっています。私たちは、原則複数日に渡る研修プログラムを提供しています。一日完結の研修では十分な効果が出ないと考えているためです。重視しているのは、行動変容までのプロセスを最後まで見届けること。例えば『ロジカルシンキング』の概念を知っているだけでは不十分です。
編集者
知っているだけでは不十分?
堀氏
はい、『知っている(Know)→できる(Can use)→実践している(Am doing)』の『実践している』までを担保したい。

一般的な研修では『知っている』止まりが多く、その後のスキル開発は受講生一人一人に委ねられてしまっています。これでは多くの成果は見込めません。投資しても見返りが限定的。我々は受講生にしっかり向き合い、『実践している』ところまでコミットすることを大切にしています。

編集者
一度の講義だけではなく、変化を見届けるということですね。
堀氏
はい、まず『できる』まで持っていくために、我々が重視しているのが『ワークショップ』です。ワークショップでは、研修で学んだスキルを実務で活かす原体験を積んで頂きます。

受講生が職場で抱えているビジネス課題を抽出し、研修で学んだことを活かして分析し、実際にアウトプットを作る作業をワークショップ形式で行います。

インドネシア人リーダー層向けの企業研修の様子
編集者
現状の問題点から最善策を導き出し、実際に行動に移す。
堀氏
そうです。更にワークショップ後には、講師との1対1のコーチング等を通じて、分からないことを明確にし、次のアクションプランも作成していきます。
編集者
なるほど、ここまでが『できる』ですね。
堀氏
はい、次の『実践している』まで行くには、上司も巻き込むことが必要です。この『知っている→できる→実践している』までをフルサポートする。これが、弊社の特徴であり強みです。

業種や世代を越えて
すべてのビジネスに適用可

編集者
企業ごとに業務は異なり、直面する課題も様々です。すべての企業に有効なスキルはどういったものでしょうか?
堀氏
例えば、この会話をとっても、情報を構造化し、結論とその理由を論理的に説明しないと、誰も理解してくれません。

ビジネス上でロジカルコミュニュケーションは欠かせません。理にかなった、筋が通った論理的思考を身につけることが重要です。

編集者
問題解決スキルについても詳しくお伺いさせてください。
堀氏
実は会社において、「問題解決」は仕事そのものです。会社はお客様の「問題解決」に対する商品・サービスを提供します。また、商品・サービスの効率的・効果的な提供の障害(問題)を解決するのも仕事です。

つまり、問題解決は仕事そのものなのです。その問題解決を最善の方法で行うためのスキルは、いかなるビジネスパーソンも必要な普遍的なスキルと言えます。

編集者
仕事はすべて、何かしらの問題解決というのは腑に落ちます。
堀氏
ただし、問題そのものや解決策(アウトプット)は、当然企業ごとに異なります。
編集者
企業には各々ビジョン・ミッションがあります。普遍的スキルとの兼ね合いはいかがでしょうか?
堀氏
上位目的の捉え方が大切です。企業ビジョン・ミッションとは社会に対する約束事だと考えています。つまり企業の存在意義です。社会への約束事を永続的に果たすためには、企業の存続が不可欠で、そのためには利益が必要です。利益担保のために売上を伸ばす、もしくはコストを下げる。何かしらの施策が必要です。
編集者
企業も生き物、無策だと淘汰されてしまう。
堀氏
企業が持続するためには、厳しい競争社会を生き抜かねばなりません。この変化の激しい時代の中で生き抜けるか否かは、『効果的かつ効率的な意思決定をできるか』にかかっています。

では、『効果的かつ効率的な意思決定とは何か?』というのが、次の問いになってきます。いろんなアイデアを持っている人たちが、ディスカッションしながら時代の流れを読んだ答えを導き出さなければなりません。

編集者
そこは組織論に関わってきますね。
堀氏
組織というものは、一人の天才に任せるか、あるいは優秀な集団がディスカッションしながら最良の答えを出せるか。極端に言えばこの二択です。

私たちがやっていることは、後者の集団に対して、効果的で効率的なディスカッションを行うための『共通言語語』を伝授することなのです。

編集者
『共通言語』とは何か?どう解釈すればいいでしょうか?
堀氏
論理思考も問題解決も一つの『共通言語』として捉えています。例えば「インドネシアを魅力的にするために何が必要か?」というテーマで会議をするとします。この時、問題解決という『共通言語』を持たない集団においては、ある人はなぜインドネシアが現時点で魅力的ではないのか(原因)を話し、ある人はクリエイティブな改善策(対策)を提案し出すといったことが容易に起き得ます。結果、議論が深まらず、会議が空疎なものになってしまい、効果的な意思決定に至らない。

他方、『共通言語』を持つ集団であれば、まずはインドネシアの「あるべき姿」と問題点を議論し、次いで、①何を改善するか? ②いつまでに改善するか? ③どの程度改善するか? の3要素に着眼し議論を深めていくことでしょう。

共通言語化が図れている企業とそうでない企業との差は明白であり、後者は淘汰されていくことでしょう。そういう意味では、我々が伝えている『問題解決力=共通言語』は企業のビジョン・ミッションの実現に不可欠とも言えます。

編集者
組織が共通の『思い』を持つということですか?
堀氏
思いではありません。『共通言語』です。思いは曖昧ですが『言語』は明確です。『言語』を『思考ステップ・プロセス』と置き換えることもできるかもしれません。いかなる問題も解決するには適切なプロセスがあるのです。

では正しい問題解決プロセスとは何か?例えば私が「お腹が痛いのですが、どうすればいいでしょか?」と質問しましたら、どのような返答をされますか?

編集者
「横になって休んでください」といいます。
堀氏
この話のポイントは、人間は本能的にすぐに対策を考えてしまうことです。『休んでください』も対策です。『お腹が痛い』に対して、多くの人が『休んで』『薬を飲んで』といった対策を伝えます。これは危ない考え方です。なぜなら、そもそもの原因を特定せずに対策を提案しているからです。

例えば『お腹が痛い』と言っているのが臨月の妊婦さんであれば、腹痛の原因は陣痛である可能性が高く、横になって休んでいる場合ではありません。薬を飲むなんてもってのほかです。

編集者
つまり問題解決に導くための『言語』なんですね。
堀氏
そうです。弊社では問題解決の『言語(踏むべきプロセス)』を『What・Where・Why・How』と表現しています。とっても簡単ですが、この言語で問題解決のプロセスをカバーしているのです。組織で共通言語化が図れると組織内文化が生まれます。物事をしっかりと考える文化です。組織的に考える力及び文化があれば強い企業になります。

なぜなら問題に対して、すぐに対策(How)を議論したくなる衝動を抑えることができますし、論点を明確にし議論を深めることも可能になるからです。それができると組織内の『思い』も一緒になってくるものです。

つまり、言語から入り、やがて共通認識のもと文化が形成され、やがて『我々は問題解決のプロだ』といったプライドも生まれます。この文化が根付いた組織には、優秀な人が入ってきます。

自ら考え、積極的な発言を促す研修となっている

テロが頻発する
アフガニスタン勤務

編集者
堀さんのプライベートに関する質問です。カリフォルニア大学バークレー校に留学中、『開発学』を専攻されていますが、これは現在の仕事と関係しているのですか?
堀氏
いいえ、全然関係ありません(笑)『開発学』とはJICA(国際協力機構)と関係する学問で、国を開発するという意味の『開発』です。
編集者
大学卒業後アフガニスタンで勤務されていたようですが、紛争地域で具体的にどんなお仕事をされたのですか?
堀氏
2011〜2013年の二年間、現地でオフィス運営を担っていました。当時日本は、積極的にアフガン支援をしようとしていた時代です。JICAもアフガン支援に対して多くの人材と予算を割いていました。僕はJICAの現地事務所で『経理・調達・総務』を総括するという立場でした。現地は法整備すら不十分な状況で、思うようにことが運ばない難しさは多々ありました。

常時日本人・ローカルスタッフ含め50名程いたのですが、安全かつトラブルが起きないように業務を回すのが私の仕事でした。加えて、援助協調も担当していました。国連機関や他の援助機関とどう協力・役割分担しアフガンを支援すべきか、というミーティング等に参加していました。

編集者
現地でテロも起きますよね? その中でどんな生活をされていましたか?
堀氏
はい、当時はテロが頻繁に起こる治安状況でした。基本的にホテル住まいで、不用意に外出することもできません。やむなく外出する際は、防弾車でさらに護衛をつけての移動です。今思えば、シビアな環境でした。
編集者
早く任期を終えたいと思いましたか?
堀氏
いいえ、もともとアフガン支援をやりたくてJICAに入ったもんですから。
編集者
なぜアフガンだったんですか?
堀氏
学生時代に*中村哲さんというアフガンで井戸を掘っている方を知り、その方の著書を読んで感銘を受けたのがきっかけです。実はその本と出会った2001年、私はちょうどニューヨークにいて911が起こりました。テロと中村哲さんの著書を通じて知ったアフガンの現状、この二つがきっかけとなり世界の不条理に違和感を覚え、バーンと自分の中で何かが弾ける思いでした。それをきっかけに、自分なりの規模でいいので世の中の課題を解決したいと思うようになりました。
*中村 哲 73歳 医者 アフガニスタン・パキスタンでの医療活動に従事。2010年には水があれば、病気と帰還難民問題を解決できるとし、医者でありながら25kmを超える用水路の建設の指揮を取り完成させた。
編集者
具体的にどうされたのですか?
堀氏
まずは『開発学』を学ぶためカリフォルニア大学バークレー校への留学を決めました。そして卒業後、開発支援の実施機関JICAに就職するといった流れです。
編集者
アフガンはもちろん、ガーナ、シエラレオネもハードだと思われますが、いかがでしたか?
堀氏
ガーナ、シエラレオネはOJTとして社会人一年目に行きました。特にシエラレオネは面白かった。ここにも私の原体験があります。

当時JICAはシエラレオネ支援を開始した直後で、正式なオフィスもありません。新人の私のミッションは、今後JICAがプロジェクトを遂行するにあたって、緊急時の避難場所と避難経路の確保でした。

編集者
新人の任務にしてはキツそうですね。
堀氏
避難経路といっても道は整備されておらず、緊急時はヘリコプターを使うしかない。ヘリコプターは国連軍しか持っていないため、UNAMSL(United Nations Armed Mission in Sierra Leone)に我々JICAの事業を説明し、有事のヘリ輸送をお願いしました。

お会いしたのは階級が高いナイジェリア人兵士で、とにかく怖かった。最初優しかったのですが、途中で「お前の言ってることはよくわからん」と要望を突き返された時の怖い顔、今でも鮮明に覚えています(笑)。

その瞬間に自信喪失しました。問題は語学力ではありませんでした。要するに論理的に説得する力がなかったのです。JICA時代は、他にも同様の経験をしました。上手くいく時もあれば、いかない時もある。この差は何か?結局、スキル不足でした。ロジカルコミュニケーションのスキルも問題解決のプロセスも理解していない。成功と失敗の要素の分解ができていないからこそ成果にバラツキがあったんです。

発展途上国の開発からビジネスパーソンの開発へ

編集者
世界をどうにかしたい、という意志のもと『開発学』を学び、実際に途上国に出向して経験を積まれている。志と実行力に感心させられます。
堀氏
いえいえ、結局アフガン支援後にJICAを卒業していますから(笑)。だけど思いは当時から変わりません。ベースは根っからの開発屋です。何かが欠けてバランスが取れていない状態に対して、策を講じる。それが私の仕事です。現在の人材育成にしても、相手が『国』から『企業』に変わりこそしたものの、開発するという意味では、根っこは繋がっています。
編集者
JICA時代と現在との違いは何ですか?
堀氏
JICAの業務は国を相手にしたマクロなものでしたが、現在フォーカスしているのは人です。ビジネスパーソンに必要なスキルを、多くの人に紹介したい。頑張っているのに結果が伴わない。スキルが備わっていないから力を十分に発揮できない。そんな方をたくさん見てきました。その人たちの一助になることが、企業の発展にも繋がると確信しています。
編集者
組織は動かす人によって、大きく左右されますね。
堀氏
企業はミッションとそれを動かす人で成立しています。しっかりしたミッションがあって、それを動かす人がしっかりすれば、必ずいい方向に動くと考えています。
編集者
JICA時代の成功や失敗が、現在のビジネスでも活かされているのですね。
堀氏
はい。問題を解決する『言語』に出会った時にブレイクスルーがありました。この『言語』を持っていると相手を説得できる。そして意識的に『言語』を使うことで成功することに気付きました。成果を出したいと本気で思いながらも辛い思いをしたまま仕事をしている人は多いと思うんです。何をしたらいいのか、どうすべきかわかっていないまま進んでいる人たちをサポートしていきたいですね。
編集者
思い通りにことが進まないと、ストレスは溜まるし身体にもよくない。
堀氏
僕自身が悩み苦しんだ時期があります。同様の思いをしているビジネスパーソンは多いはず。スキルを身に着け、もっと仕事ができるようになると仕事そのものが楽しくなる。そうすると、モチベーションも上がりますし、企業にも貢献できます。そして全員がウィンウィンの関係性を築けると考えています。
編集者
しかし、相手にやる気がなければ伝わるものも伝わらないですよね。
堀氏
もちろんそうです。やる気は、成長したいという意思から生まれます。人が成長している時は輝いていますし、力や自由を手にしている感覚すらあるはずです。そして自己成長力に必要なものは、素直さや謙虚さ。

また自分は不完全な人間だと思っていることが、向上心・モチベーションの源泉にもなります。

また、ビジネススキルは難しすぎて諦めている人も多くいます。「論理思考は、難しい。自分には無理だ」と。なので、徹底的に分かりやすさを追求すると共に、ワークショップを通じた実践にこだわっています。

編集者
今後、人材育成の世界をどう変えていこうとお考えでしょうか?最後に堀さんご自身の目標を教えて下さい。
堀氏
正直にいうと「人生育成に命をかけてやっていきます」という感じではないです。それだと、なんか胡散臭くないですか?一方で、何かが欠けていてバランスの悪さを解消する『開発屋』の仕事はライフワークとして、プロとして一生続けたいと思います。

JICA時代は国が相手で、今は企業と人です。将来の目標といっていいのか分かりませんが、幸福をより感じられる世の中にしたいですね。子どもの頃に感じていたワクワク感が大人になると感じられません。社会人になると目的思考が生まれ、そっちばかりに流されて純粋に心を空っぽにして楽しめない。もはや大人病です。

この点に関しても、目的の世界観から解放されて楽しめてこそ、真の自由、心の解放と思うのですが、その答えはまだ見つかっていません(笑)なんか宗教っぽいことを言っていますが、そこらへんは全然関係ないんで、誤解のないようにお願いします(笑)

インドネシア人リーダー層向け 問題解決講座開催!

グループでディスカッションをする様子
日時 2019年9月18日(水)終了いたしました
場所 アヤナミッドプラザジャカルタ
住所 Jl. Jend. Sudirman No.Kav 10-11,Jakarta
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定員 20名
対象 インドネシア人マネージャークラス以上
言語 インドネシア語
費用 Rp.1,500,000
ただし、人事担当者は無料
URL https://precena.co.id(英語)
メール idn-all@precena.com(日本語・英語・インドネシア語)

   

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