ジャカルタでも外国製・日本製のベビー用品が入手しやすくなり、インドネシアで新生児から子育てを行う赴任者家族も増加しています。コミュニティや情報を活用して、より安全により楽しく子育てしたいものです。
目次
インドネシアでの出産
インドネシアの年間出生数は約500万人と日本の5倍弱。(※1)スタッフの経験値も高く、設備・サービスにしてもジャカルタ市内の外国人向け産婦人科に限れば、日本人でも満足できる程度の水準にあります。
とはいえ、インドネシアの新生児死亡率は日本の14倍とまだまだ高く(※2)国全体の医療水準は決して高いとはいえません。
そんななか最近では、家族の生活への影響を最小限にしたいと考える第2子以降の出産を控えた経産婦さんを中心に、約3割の日本人が現地での出産を一度は検討されています。(※3)
- インドネシアでの出産メリット
- メイドさんが家事・育児を手伝ってくれるので産後ゆっくりできる
- 家族全員が出産に立ち会える
- インドネシアでの出産デメリット
- 言葉の問題
- 処置方法や慣習などにおける日本との相違点
- 出産時にトラブルがあった場合の対処への不安
可能な範囲で最低でも1回は日本で健診を受け、医師と相談をし、自身の体調及び現地出産のリスクを十分に理解・把握した上で出産場所を選択することをおすすめします。
「ルマサキット・ポンドックインダー(Rumah sakit Pondok Indah)」や「シロアム・ホスピタル・スマンギ(Siloam Hospitals Semanggi)」などでは、併設のJ-CLINICを介して検診から分娩まで日本語でのサポートが受けられます。現地出産を検討する場合は、ジャカルタでの出産経験のある方々から情報を集め、病院だけでなく担当医師まで慎重に検討する必要があります。
※1※2 Unicef「基本統計」2017を基に概算
※3 ジャカルタマザーズクラブ「希望出産場所アンケート」を基に概算
日本と仕様が異なる母子手帳
各医療機関で入手できる英語・インドネシア語版の母子健康手帳は日本で配布されているものとは項目が異なります。いずれ日本で生活することを考えると、必要事項が確実に含まれている日本版の母子健康手帳を使うのが望ましいでしょう。
日本版の母子健康手帳はPDFが厚労省のWEBサイトから無料でダウンロードできるようになりました。ご自身で印刷して利用することができます。
またジャカルタマザーズクラブでも、日本で入手した日英併記の母子健康手帳を購入することができます。
育児に必要な消耗品の準備
粉ミルク・ベビーフード
離乳食や赤ちゃん向けのスナックは、日本食材を扱うパパイヤ(Papaya)をはじめ、富裕層向けのスーパー、さらにカルフールやロッテマートといった外資系量販店など、どこでも手に入りますが、日系メーカーの離乳食やスナックは現在流通していません。
粉ミルクはドラッグストアやスーパーで入手できます。ただし店舗によっては商品を棚から直接取れないようになっていたり、一度に買える数が制限されていたりします。
これは中国国内で国産粉ミルクへの不信が未だ消えないことに起因する投機的な買い占め・転売防止への対策であり、通常の買い物をするうえでの支障はありません。
各家庭の志向にもよりますが、新生児用粉ミルクは特に、現地調達ではなく日本から持ち込む方が多い傾向にあります。
おもちゃ・ベビー服・ベビーカーなど
インドネシアにも英国発のブランド、マザーケア(mothercare)のような世界的なベビーグッズの専門店が進出しており、グランドインドネシアやポンドックインダモールなどの店舗の他、オンラインショップでも商品を購入できます。その他、日本人が多く利用するスーパー、カルフールやグランドラッキーなどの量販店、ショッピングモール、ECサイトでも、日系メーカーのものを含め、大抵のベビー用品が入手可能です。
日本・海外ブランドのチャイルドシートやベビーカーも入手できますが、関税などの影響で割高です。掲示板、SNS、バザーなどを介して、ベビー用品を日本人同士で売買する事もジャカルタでは多々あります。
紙おむつなどの消耗品
ユニチャームが現地生産を行っており、新生児サイズからパンツタイプまで、スーパーやドラッグストアで流通しています。品質も日本で売られているものとさほど違いはありません。
その他の衛生用品、ベビーオイル、石鹸、パウダーなどもスーパーやドラッグストアで簡単に手に入ります。
ベビー用品の選び方
ベビー用品はジャカルタでの生活スタイルに合わせて選びたい。ベビーカーであれば、車での移動が多くなることや、ジャカルタの路面状況の悪さを考慮し、トラベルシステムタイプのチャイルドシート兼用ベビーカーや、しっかりしたタイヤの走行性に優れたタイプが人気だ。
日本で購入してきた方が良いベビー用品ランキング
- 食品
携帯可能なレトルトフード、乳児用のお菓子、ドライフレーク状の野菜などを持ち込んでおくと便利 - 粉ミルク
各家庭の志向にもよるが、新生児用ミルクを日本で調達する人は多い。またキューブタイプの粉ミルクはジャカルタにはない - 哺乳瓶、水筒を洗う洗剤及び補助具
- 日本語の絵本
大抵の物はジャカルタで入手可能。個人的にこだわりがあるものに絞り込んで、日本から持参しよう。
ジャカルタの託児所
インドネシアの家庭では、メイドやベビーシッターを自宅で雇って乳児の世話をする、という形が一般的です。近年、核家族化と共働きの傾向が強まる中、託児所を利用する夫婦も増加しています。英語で一般的にナーサリー(Nursery)と呼ばれるこれらの施設には、月齢・年齢別に分けられたベッドルームが設けられていたり、専属調理師が食事を用意したりと、安全面や健康・衛生面でも十分な注意が払われています。ナーサリーの多くは、多国籍企業が集まるオフィスエリアに点在しています。
赤ちゃんを連れて飛行機に乗る
日航空会社の乳児への対応は概ね次の通りですが、例外もあるので、気になる項目については航空会社やチケットを購入した代理店に、その都度確認・相談することをおすすめします。
乳幼児とのフライトで注意したい項目
- 2歳未満(24カ月未満。使用するチケットの最初の搭乗日を基準とする)の乳児の運賃(Infant Fee)は、利用するクラスの通常運賃の10%が目安となります。生後8日以内の新生児の搭乗は認められず、乳児に座席は提供されません。
- 機内前方の壁に取り付けるバシネット(bassinet)と呼ばれる乳児用ベッドは事前予約が必要です。追加料金は発生しません。
- 離乳食の持ち込みは基本的に可能です。空港の液体物持ち込み制限からも除外されます。
- 航空券予約時に事前注文すれば、子どもの月齢・年齢に応じて離乳食、幼児食、またはチャイルドミールを用意してもらうことが可能です。
- ベビーカーとチャイルドシートは、基本的に重量に関係なく受託手荷物として無料で預けることができます。
日本〜ジャカルタ間は片道7時間を超えるフライトとなります。機内は乾燥しているため、乳幼児には適度な水分を取らせるようにしましょう。 - 離着陸の際、気圧の変化に対する調整を自分でできない乳児は、航空性中耳炎にかかる恐れがあります。離着陸の際は、飲み物やおしゃぶりを活用して耳抜きを手伝う。
自動車のチャイルドシート
インドネシアの交通法規では、チャイルドシートの使用は義務付けられていません。とはいえ、万一の事故からお子さんを守るために、使用されることをおすすめします。日本から持ち込む方も多いですが、チャイルドシートはインドネシアのベビー用品店やECサイトでも購入可能です。