マクロ経済から見た現状と将来像

日本からの投資に引き続き依存

インドネシアへの外国直接投資(FDI)は2009年以降、順調に増加で推移しています。投資先を地理的に見ると、FDI全体の半分以上がジャワ島にもたらされています。一方、業種別では資源系の鉱業が13.7%と最も多く、ついで運輸・倉庫・通信が11.2%、金属・機械・電機の10.6%、となっています(投資調整庁・BKPM、2015年統計) FDIの投資元の国がどこなのか、という統計を見てみますと、2011年以降日本とシンガポールがそれぞれ1位、2位を占めています。ただ、シンガポールについては「インドネ

為替はどのように推移するか

アジア通貨危機以後のインドネシアルピア相場の動きを見ていると、危機から脱した2009年以降、資金流入が拡大しルピア 高傾向で推移しました。その後約2年は「ボラティティー(変動幅)が小さい安定した通貨」として、外国からの資金が引き続き流入しました。ところが、石油需要が大幅に増え、貿易収支が赤字(出超)に転落したのに連れて急激にルピア安となり、その後現在に至るまで下落傾向が止まりません。 2016年は年頭から原油価格が急激に低下しました。現在、インドネシアはすでに石油の純輸入国ですか

経済は成長するも、中国の影響が足かせに

次にインドネシアの実質国内総生産(GDP)成長率統計から、インドネシアの経済成長がどのように推移して来たのか見てみましょう。過去20年の統計では、1997年に起きたアジア通貨危機の影響で翌1998年は前年比13.1%のマイナス成長という大きな試練もありましたが、2000年以降は4〜6%増で推移、「上振れ、下振れが小さく安定した成長」を遂げたと言って良いでしょう。 しかし、直近2015年は前年(2014年)の5.0%増から4.8%増とやや低下しました。政府は補正予算で5.7%増と強気の目標を設定

石油の純輸入国となったインドネシア

インドネシアは「豊富な資源を持つ国」です。確認埋蔵量で見れば、2014年時点で石炭は世界10位にランクされるほか、天然ガスは14位、石油は29位といずれも上位にあります。日本はインドネシアから液化天然ガス(LNG)を大量に輸入していますから、多くの人が「インドネシアはアジア有数の資源国」という印象を持っていることでしょう。 ところがインドネシアはすでに石油の純輸入国となっています。1990年代はアジアでも屈指の産油国でしたが、石油生産設備の老朽化に加え、国内需要の著しい伸びにより、2003

ジャカルタの最低賃金は約3万円

現地の報道資料によると、ジャカルタ特別州の2016年の最低賃金は310万ルピア(3万円弱)となっています。これは、5年前(2011年)と比べると2.5倍以上に増えています。この間のインフレ率は最高で8.8%となったものの、概ね年率4~7%前後で推移していまし たから、この賃金水準は非常に速い速度で上がっているといえます。

廉価で豊富な労働力を持つ国

インドネシアで展開している多くの日系製造業各社は、低賃金で豊富に得られる労働力に魅力を感じて進出しています。ASEAN周辺国などを比較してみると、インドネシアの賃金水準はおおむねフィリピンとベトナムの中間にあります。なお、中国の平均と比べると3〜4割インドネシアの方が低い水準です。 「就労人口の推移」を見てみると、総人口の伸びは年ごとに減速していますが、就労人口(15〜64歳)は1年当たり200〜300万人ずつ増えています。 けれども、インドネシアが抱える大きな問題は、「不完全就労者」が就労