PT インダストリアル・サポート・サービス・インドネシア(ISSI)

★報連相の重要性、セミナーで伝える
★現地社員とのコミュニケーションを改善

インドネシアでの事業展開に当たり、日本人上司と現地社員とのコミュニケーションに悩む日本企業も少なくない。言葉や文化の壁を越えて、意思疎通を改善するにはどうすればいいのか。PTインダストリアル・サポート・サービス・インドネシア(PT.ISSI)では「報告」「連絡」「相談」の重要性を説く「報連相(ほうれんそう)」セミナーなどを実施し、具体的な改善策を示している。

★ケーススタディで意見引き出す
 「顧客からクレームの電話を受けました。あなたならどう対応しますか」。ISSIの奥信行氏は顧客企業の工場やISSIのセミナールームなどで、インドネシア人マネジャーや従業員に対するセミナーを開いている。同社が実施するセミナーは数種類あるが、最も力を入れているのが報連相セミナーだ。「報連相とは何か」などの説明に加え、具体的な仕事に関するケーススタディを実施する。ケーススタディでは6人ずつのグループに分かれて討論してもらい、参加者の意見を引き出す。ただセミナーを聞くだけでなく、参加者に自ら考えてもらうスタイルが特徴だ。
 これまでの顧客企業は各種研修、通訳派遣、翻訳、コンサルタント、日本語コース、インドネシア語コース、その他の全事業を含め約150社。ダイハツ自動車やトヨタ自動車、三菱電機など大手企業も利用している。顧客の業種は製造業からIT企業まで幅広く、報連相セミナーのケーススタディの内容は顧客の業種に合わせて作成している。

★現地社員の情報共有に課題
 奥氏によると、「インドネシアで生じる問題の特色として、現地社員が情報を共有せず独り占めする点があげられる」という。インドネシアの政治的・文化的背景から、現地社員に「情報を自分にとどめておいたほうが得だ」との判断が生じやすく、顧客からの電話の内容を上司や同僚に伝えないケースがある。そして発覚時には遅すぎて納期に間に合わないなど、会社の損失につながる結果に陥る。こうした問題は報連相を徹底し情報を共有することで改善することができる。
 一方、上司の側も意識の改善が必要だ。日本人上司が怒鳴り散らして部下が委縮してしまうこともある。現地社員に報連相が行き届かない理由を尋ねると、「怒られるのが怖い」「報告しても反応がない」などの意見が多い。奥氏は「部下のやる気を高めるため、経営に関する情報を共有するなど、上司の側が変わることも必要」と指摘する。

★独自の日本語学習システムも
費用は報連相セミナーの場合、1日セミナーで九百八十万ルピア。日本のPHP研究所との協力で、DVD「5Sの鉄則」も販売している。同社では日本語学習の独自システムを用いた日本語コースも実施。工場で使われる単語を網羅するなど、現場でそのまま使えるように工夫された教材もある。日本企業とインドネシア人従業員とのコミュニケーション改善のための様々なツールを用意し、今後も日本企業の円滑な事業推進を支援していく考えだ。


公開された日付: 2015年07月03日